銃の反動と跳ね上がり

Recoil Energy of Gun



反動エネルギーは銃の重量、弾丸の重量、発射薬の重量、銃口初速から計算できるが、数字では難解になり必要な理解から遠ざかるため、ここでは射手が実際に体感する反動について解説する。


作用と反作用:誰もが耳にするこの法則は銃も例外ではない。撃発を行うと発射薬(火薬)が燃焼し発生するガスの圧力によって弾丸を推進させ、この力は後方にも等しく返る。それが銃の反動だ。


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弾道計算機の反動エネルギー表示


なぜ射手は平気なのか?:銃弾は対象に致命的なダメージを与えるが、反作用で同じ力を受ける射手が致命的なダメージを負わないのは何故?そんな疑問を聞いた。これは次の図、S&W社M686の4インチモデルと弾丸重量が10.2gの.357マグナム弾薬を基に作成したイラストで解説する。


作用と反作用を赤い線で表現した。銃身内を「弾丸が前進」する間、薬莢は同じ力で逆方向へと押し返されるが、その薬莢は銃に固定されているため運動は「銃の後退」へと変わる。この時、重量10.2gの弾丸は高速で前進するが、重量1,125.5gと100倍以上も重い銃は1/100以下しか後退させられない。射手はその銃を保持できればいい。人間が1kgの物を投げられても100kgの物は投げられないように、100倍の物を同様に動かすには100倍の力が必要なのだ。


反動の大きさ=銃が後退する速さ、そう捉えると解り易いだろう。同じ弾薬を使用しても、銃が重いほど反動は遅く(小さく)なり、銃が軽いほど反動は速く(大きく)なる。


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S&W M686と.357マグナム弾丸の重量


なぜ跳ね上がる?:次の図では作用と反作用を表す赤い線を実際にその力が働く位置に印した。支点となるグリップが反動を受ける点よりも下に位置するため、そこを中心に上への「回転運動」が起こる。これが銃の跳ね上がりだ。よって銃身が下に位置すれば下へ、横に位置すれば横へ銃は回転する。


実感が湧かない場合はスマートフォンやテレビのリモコンでもいい、片手で軽く握り、もう一方の手で上部を後ろへ押してみよう。


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リボルバーの作用点と支点


銃身の長さは跳ね上がりを抑える?:銃の重さが反動を小さくする事はここまでの解説で理解できるだろう。次の図はS&W社M500の8.38インチ(重量2,055g)と4インチモデル(重量1,588g)を基に作成した。同じ銃でも銃身の長さで重量が増し、重心も前寄りになるために跳ね上がりを抑える効果を得てコントロールが楽になる、というのが一般的だが…。


銃身の延長は反動を増大させる:実は銃のほとんどで弾丸は最高速度に達する前に銃口から抜け出ている。銃身を長くすることは過度でない限り弾丸の銃口初速及び銃口エネルギーを増大させるが、当然その反作用の力「反動エネルギー」も増大することとなる。これが銃の跳ね上がりに加担するため、長銃身の方が楽になると一様にはいえない。筆者の体感では短銃身の方が楽だ。


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S&W M500の8.38インチと4インチ


ここではマズルブレーキの有無やオートマチックなど構造による違いは加味していないが、この原則を理解していれば銃や弾薬が変わっても応用が効く。


筆者が撃つ!S&W M500リボルバー 10.5インチ




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