アリゾナ州射撃場の誤射事故

Accident of 9-year-old girl and Instructor in Arizona Shooting Range



発生日時:2014年8月25日 月曜日

発生場所:米国アリゾナ州ホワイトヒルズの野外射撃場

死傷者:インストラクター 39歳 男性

使用者:利用客 9歳 女性 (両親同伴)

使用銃:Mini-Uzi (ミニ・ウージー) 9x19mm 短機関銃 (サブマシンガン)


この事故は筆者にとって非常に身近なものであり決して他人事ではない。不幸な労働災害は何故起こったのか?どうすれば防止できたのか?その原因と対策を経験から記事にした。


当日、両親と共にホワイトヒルズにある野外射撃場を訪れた9歳の少女は、インストラクターの指導の下、9x19mm弾を使用する短機関銃「Mini-Uzi (ミニウージー)」を体験。まずセミオートマチックで1発撃ち安全を確認し、次にセレクターをフルオートマチックに切り替えトリガーを引いた途端、連射する反動で銃口は左上へと振られ、インストラクターの頭部に被弾した。


男性は100kmほど北西のネバダ州ラスベガスにある病院へ搬送、その後死亡が確認された。


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事故発生時のインストラクター(左)と少女(右)


それでは、報道映像から筆者が再現作成した上のイラストを基に、事故発生の原因と対策を考えてみよう。


銃種の選択:9歳で9x19mm弾薬のフルオートマチックモデルは制御が難しいため、射撃場の利用規定で制限するかインストラクターが奨めないことが第一にあるが、保護責任者の両親に充分な危険認識があれば「子供に扱わせない」という判断ができただろう。


どうしてもフルオートマチック(連射)を体験させたいのならば、ミニウージーのような小型な短機関銃は避け、射手の力を必要としない固定された大型の重機関銃を選ぶ方が振り回される事もなく安全性が高まる。銃は「小さくなるほど」危険な物になる。


Uziのフルサイズモデルを射撃する筆者


インストラクターの補助:報道映像を観る限り、インストラクターの右手は少女の背中に、左手は銃の重さを支えるように弾倉底に添えられていたが、そこに不足がある。左手は開かずにしっかりと弾倉を「握り」銃が跳ね上がらないよう抑えていれば最悪の結果は避けられたはずだ。


下の写真は筆者が、ストックを取り付けた9x19mm弾薬使用の機関拳銃(マシンピストル)の射撃を開始する場面。見切れているがインストラクターの右手は弾倉の下部を握り、反動の跳ね上がりに備えている。


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機関拳銃を持つ筆者(左)とインストラクター(右)


ポイントシューティング:銃の照準器を使わずに着弾先を直接目視して撃つ方法をとったことにより、肩に当ててこそ安定するストックは胸元にまで下がり不安定な状態にあった。反動を受け滑ったのはフォアエンド(銃の前方下部)を持つ左手よりも、小さな身体に当てたストックの方が先だったかもしれない。


下の動画は、筆者が9x19mm弾薬使用の短機関銃でポイントシューティングを行った際のもの。


ポイントシューティングを行う筆者


指切り射撃:通常はフルオートマチックモデルであってもトリガーを引きっぱなしで撃つのではなく、少しずつ刻むように自分のコントロール下において撃つもので、特に制御が難しいと見られる場合にはインストラクターからそう指南する事も多い。当事者間でその会話が成されたかどうかは不明だが、9歳で即座に理解し行える技術ではない。


次の動画で指切り射撃と、見切れてはいるが前に述べたインストラクターが弾倉を握り跳ね上がりに備え、筆者が安全にコントロールできることを確認してから手を放す姿も見て取れる(4射目)。


筆者の指切り射撃と補助するインストラクター


この様な事故は銃を扱う限り、何時でも何処にでも起こり得る。大切な命を落とさぬよう、子供に悲しい想い出を作らせぬよう、利用者・射撃場側共に自身に置き換えて今後の教訓としたいものだ。




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